新型コロナウイルス感染発病予防としてワクチン接種が実施されています。
接種を済まされた方には、抗体ができたかどうか知りたい方もおられると思います。
井上記念病院健康管理センターでは2021年9月1日検査実施分より以下のとおりコロナ抗体検査の内容を変更し、ウイルスのスパイクタンパク質に対する抗体検査を行い、陰性陽性判定のほか抗体価も明記してご報告いたします。
<検査変更内容>
〇検査試薬 ロシュ・ダイアグノスティックス社(スイス)→ 富士レビオ社
〇検査方法 IgM抗体・IgG抗体を検出する定性検査→IgG抗体を測定する定量検査
※この検査は次のような方にお勧めいたします。
〇コロナワクチン接種前で過去の感染の有無を確認したい方。
〇コロナワクチン接種後で免疫応答の確認をしたい方。
<検査試薬>
〇富士レビオ社
<検査方法>
〇IgG抗体を測定する定量検査
〇申込書兼問診票の記入後、採血(血液検査)を行います。
<検査費用>
〇8,800円(税込)
<検査結果>
〇1週間程度で郵送にてお知らせします。
(電話やメールでのお問い合わせにはお答えしておりません。)
<申込方法>
〇予約制となっております。事前にお電話でお申込みください。
<検査結果の見方について>
〇抗体検査の結果が「陰性」の場合
測定した時点で新型コロナウイルスの抗体はありません。
感染した直後などでまだ抗体が作られていない場合も陰性という結果が出る可能性があります。
〇抗体検査の結果が「陽性」の場合
既に新型コロナウイルスに感染して体内に抗体を持っているということです。
なお、この抗体は、ウイルスの大きな変異がない限りはかかりづらく、かかったとしても軽症ですむ可能性が高いと言われています。
但し、抗体の持続期間等はまだわかっておりません。
◇ 新型コロナウイルス抗体検査〔血液検査〕
新型コロナウイルスは4種類の構造タンパク質で構成されています。
コロナウイルスに特徴的な表面の突起を形成するスパイク(S)タンパク質にはヒト細胞に感染する際に不可欠な受容体結合ドメイン(RBD)が存在しています。
RBDが、ヒトの呼吸器や粘膜の上皮細胞表面に存在するアンジオテンシン変換酵素2型(ACE2)受容体と結合することで、ウイルスは宿主細胞に侵入します。
新型コロナウイルスワクチンは、Sタンパク質特異的に免疫反応を誘発するよう設計されているものが多く、Sタンパク質に対する抗体検査は、ワクチン接種前の免疫状態の確認およびワクチン接種後の免疫応答の定量測定などの使用が期待されています。
本検査はSタンパク質のRBDに対するIgG抗体を定量的に測定する検査で定量値と判定結果をご報告いたします。